(倍返しだ!)
某銀行を舞台にした「倍返し」なお話は大ヒットになりましたが、IT、SES業界でもこの10月から稼働し始めたエンジニアで2名ほど倍返しをしたエンジニアがいて、周囲で軽く話題になりました。
今回は、そんな立ち話程度な話題をネタにします。
「倍返し」したのは2名とも女性エンジニア
さて今回「倍返し」をしたのは、なんと2名ともフリーランスで稼働している女性エンジニアでした。ともに30代のJavaエンジニアでした。
1名は、30代前半でSEというよりはPGに近い感じの人です。もう1人は30代後半のSEです。2人ともフリーランスになって数年は経験していて、エンジニアとしてもフリーランスとしても業界についてはある程度理解している2人でした。
何を「倍返し」?
さて、何を「倍返し」したのでしょうか。簡単に言うと、
気に入らない商流を蹴っ飛ばして直契約に持っていった
ということです。
詳しい話は本人から聞いているので説明をします。
まずAさんの方は、
クライアント(某大手ネット系金融機関)⇒元請け企業⇒Aさん
という商流で9月末まで今の現場に入っていました。
ただ、元請け企業と相性がよくなく、7月から今の現場に入ったものの、3ヶ月で終了することにしました。しかし、今の現場は気に入っていたそうで、なんと・・・
クライアント(某大手ネット系金融機関)⇒以前稼働していた小さなSES会社⇒Aさん
という商流に持っていきました。
元請け企業からしたら、
「おい、ふざけんなよ!」
という話ですね。
直契約というのは語弊があります。正確には先に書いてある通りで以前お世話になっていたSES会社を巻き込んで間に入ってもらい(そもそも直契約をするつもりは一切無かったそう)自分の好きな商流に切り替えて、継続して稼働できるようにしてしまいました。
(ちなみに一番驚いたのは、この小さなSES会社がNRI等の錚々たる元請け会社と同列の立場にたてたという取引審査を通った事が一番驚きました。準委任だから通りやすかったのかな?)
もう1人のBさんは以前、
クライアント(ユーザー)⇒元請け⇒A社⇒B社⇒C社⇒Bさん
という商流で稼働していました。商流深いですね。さてこのBさんは今年の夏で一度この現場を離れています。夏休みを取りたかったそうです。それで復帰しようと所属会社のC社経由で仕事を探していたところ、たまたま元請け企業の社員であり、現場リーダーの方から連絡をもらい、商流を飛び越えたそうです。
飛び越えて飛び越えてで
クライアント(ユーザー)⇒元請け⇒C社⇒Bさん
となりました。
こちらはその気になれば元請け企業と直契約も出来たかもしれませんが、本人にその気は全く無く、元請け企業に所属会社の営業さんを紹介して新規で契約してもらい、こちらの商流になったそうです。
さて、こちらのBさんは、間に入っていたA社とB社が気に入らなかったそうです。A社についてはもはや存在すら認識していなかったそうですが、B社については空気な存在のくせに色々と言ってくるので煙たがっていました。
そこでちょうど良い機会だから消えてもらおうということでした。
どうやって「倍返し」?
ここが一番、みなさん関心があるのはこちらではないでしょうか。リアルに「どうやったの?」と私も思いました。それと「よく揉めなかったね・・・」と。
さて、この「倍返し」ですが、両名ともに共通して言えることは、「現場を味方につけた」ということです。
Aさんの方は現場(クライアント)のシステム部のトップの人から信頼を得ていて(3ヶ月で信頼を得るってスゲーな・・・)、抜けられると困る存在にまでなっていたそうです。それで、先方から「だったら次の所属会社と契約しましょうか?」と言わせたそうです。あとは所属会社を紹介するだけですね。ちなみに前の商流の元請け会社にはこのシステム部のトップの人から声掛け(話)が行ったので、元請け会社は何も言えなかったそうです。
さてBさんの方はというと、こちらも現場リーダーの人から信頼されていて(割と無理難題をお願いされても、うまく対処していたそうで評価はまあまあよかったらしい)、たまたまSNSでつながっていたため、ちょうど仕事を探し始めていたときに、SNS経由でメッセージが届き、本人も前に稼働していたときはかなり居心地がよかったそうで再稼働を希望していたこともあり、「ぜひぜひ」という話になったそうです。あとは所属会社を紹介するだけです。こちらに関しても揉めなかったのは、元請け企業の方が協力してくれて「仮に前の商流のA社、B社から申し立てがあったとしても、相手にしないでおきましょう」と協力姿勢を見せてくれたので、なんら間の商流間で揉める事もなく(揉めても相手にしてくれない?)、本人は気持ちの良い商流で仕事が出来る事になりました。
結局・・・
エンジニアがハッピーになってよかったですね。ちなみにこの話ではクライアントはともに得をしています。聞いた話によると、2件とも提案金額が下がっているそうです。もちろんエンジニアへの支払い金額は増額、もしくは同額だそうです。つまり、損?というか恩恵を受けられなかったのは間の中間会社だけということです。
所属会社なんてウハウハですね。エンジニアが顧客を連れて来てくれたわけですから。
まあ教訓としては、中間搾取会社はエンジニアをただの商品として扱うのではなく、配慮が大切、というところでしょうか。何にせよ空気みたいに価値のない会社だと今回のように飛ばされる可能性があるということですね。
「あそこの会社イラネ」と思われたら終了ということです・・・
「あそこの会社イラネ」と思われたら終了ということです・・・
また、エンジニアも仕事をこなすというのは当たり前ですが現場での評価を高めるというトータルでのサービス提供を心がけることも大切ですね。クライアントや現場から大切にされるというのはエンジニアとしてはとても良い事だと思います。
私も気を付けます。