2013年9月4日水曜日

仕事の出来るSES営業さんとはどんな感じなのか?

(某兵士長さんも仕事が出来るという意味では出来るのでしょう・・・)

話の発端はとある新人(と言っても年齢は30歳くらいの方)の営業さんが、さらりと口にしたことでした。

「この業界の営業ですごく出来る人はあんまり外に出ないイメージがあります」

初め聞いたときは「・・・確かにそうかも・・・」と思いましたが次第に「いや、出来る人こそよく外に出ている・・・ん?いやどっちだ?」と私もよくわからなくなりました。

というわけで今回は仕事が出来るSES営業さんは外に出ないのか、それとも常に外に出ているのか?不毛な疑問について考察して行きます。




そもそも外に出ないとはどういうことか

SESの営業で外に出ないというのはそもそもどういうことでしょうか。
とりあえず基本的なSES営業の活動を振り返ります。SESの営業のおおまかな基本は、

エンジニアの調達
(調達先の開拓)
客先提案
(客先の開拓)
面談
稼働開始
(入場)


という一連の動作が基本です。
この一連の動作の中で、外に出ないで済むものはありません。全てにおいて外にでます。
もちろん、稼働に際して入場でついていくので外に出ますね。
ということは、外に出ないSES営業さんは仕事をしていない人だ!と一瞬思ってしまいますが、これはあくまで営業さんが1人で全てを行う場合です。
チームで動いている場合は別です。

チームで動く場合はどのような動きが想定されるのでしょうか。
よくあるパターンを見てみましょう。

              エンジニアの調達・・・新人・若手にやらせる
(調達先の開拓)
             客先提案・・・ベテラン、上役が行う
(客先の開拓)
             面談・・・ベテラン、上役が行う
             稼働開始・・・新人、若手に行かせる
(入場)


こうすると、1人の営業さんが外にでる機会というのは分散されます。極端ですが外に出る機会は半分になっています。
これは、大切なクライアントを継続して大切にしたいので(失礼があるとマズいので)ベテランの営業さんが担当し、SES会社を回ってのエンジニアの調達には、新人、若手にやらせるというよくあるパターンです。今はエンジニア需要の方が強いので調達を担う新人、若手は大変ですね。

さらに極端なケースを考えてみます。
まったく外に出ない営業とはどのような状態なのかをズバリで上げます。

             エンジニアの調達・・・新人・若手にやらせる
                           または集客サイトを持っている
(調達先の開拓)
             客先提案・・・ベテラン、上役が行う
(客先の開拓)
             面談・・・中堅の部下に行かせる
             稼働開始・・・新人、若手に行かせる
(入場)


これならばほぼ社内にいます。基本的に外に出るときというのは新規での客先開拓のときだけですね。イレギュラーが発生したときは仕方ありませんが・・・。実際にこのような行動が可能なSES会社はあります。Webでフリーランスエンジニアを集客して、お仕事を紹介しているSES会社なんかはまさにこの動きをしていますね。A社とかA社とかR社とかB社とか・・・。まあ当然の話ですが、こういった動きが出来る方は私の知る限りある程度の役職者(課長とか部長)です。

で、外に出ないとはどういうことか?という話に戻ります。
外に出ないというのは、これまでの話を踏まえると、「チームとして役割分担している(前提としてある社内で一定の立場にいる)」
「マッチングに徹している」ということです。
マッチングについては上では深く触れていませんでした。
マッチングというのはつまり、ビジネスパートナー会社から提案されたエンジニアや、Webで集客したフリーランスエンジニアと、自社で保有している案件または他社が持っている案件を摺り合わせて、提案して行くということです。商流深めのレイヤーでマッチングをしていたら、その気になれば上位会社にエンジニアの引き渡しだけで済むので人と会うのは10分程度で終わりますね。
正直私はこのマッチングという概念はあまり好きではありません。理由は中間搾取感バリバリだからです。

それでは外に出てばかりの営業さんはどうなの?

では外に出てばかりの営業さんはどうなのでしょうか。
外に出てサボっているという人は論外です。外に出ている営業さんで真面目な人であれば、基本的な活動である


エンジニアの調達
(調達先の開拓)
客先提案
(客先の開拓)
稼働開始
(入場)

こちらの一連の動作を愚直に行っていることになります。単純に外に出ない営業さんと比較すると、外に出ている分社内に戻ってから外に出ない人と同じ量の仕事をこなすわけなので、高稼働に陥る可能性があります。
しかし、現実的にはこの「外に出る」というのは実は成果がとても見え難い点です。かの有名な光通信さんのような営業活動に際して徹底した管理がされているのであれば、営業員の行動はある程度わかるでしょう。ただ、SESの営業はいまいちよくわからないところがあります。
たとえば、既に会っている同業ビジネスパートナー会社の営業さんに会いに行く、だとかは特段の明確な要件があるわけでもなく、現状の手持ちの案件や要員の相談をしにいくといった感じなのであまり成果は見えにくいです。感覚としては、銀行さんや信金さんの外回り(ご用聞き)に近い感覚でやっているのではないでしょうか。
とはいえ「一切無駄だ」と定義するには余地があります。なぜならば、そうやって顔を出す事で、印象づけして、新しく技術者の人員が出来たときや、案件があったときに優先して連絡をもらえるように関係構築をしている点はあるからです。しかし、その相手先が関係構築をするに得る存在かどうかという見極めは大切です。

これですと、外に出ないで仕事をする方が良いように思えますので、最大限効率的に動いていることを想定してみます。

そうすると、一連の営業活動を常に行っているということになります。日中びっちりと新規で調達先の訪問、クライアント開拓の訪問、面談、エンジニア入場(既存ビジネスパートナーへの訪問は成果が見え難いので行わないとします)を行っている営業さんがいるとすれば、確かに出来る営業さんの気はします。


結局は出来る営業さんってどっちよ?

書いていてよくわからなくなってきました・・・。
そもそも外に「出ている」か「出ていないか」というモノサシで仕事が出来る出来ないを判断するというのが無理ゲーだったのかもしれません。

私の中で仕事が出来る人ということについて1つだけ思い当たる節があります。
それは仕事が出来る人は共通してレスポンスが早いという点です。
もちろんそれは営業だろうが開発であろうがどの業種、分野にも言える事です。

SES営業に関してレスポンスが早いということは、全ての動作のスピードが早くなることを意味します。
つまりエンジニアの紹介・提案があれば早くクライアントへの提案を行い、クライアントからのエンジニアの募集依頼があれば、早く展開して募集を募る。面談やアポイントの調整も早く行うことで迅速な行動が可能になります。
「早い」というのはSESではとても重要だと思います。ある意味先行者メリットのような性質すらあります。A社とB社、同じビジネスパートナー数社を抱えていたとすると、先に情報を展開した方に、当然レスポンスが多く集まるに決まっているからです。(条件だとかリレーションの度合いといったのは抜きの場合です。)

もちろんレスポンスが早いと受ける印象も良いという点もあります。
皆さんにもこんな経験は必ずあるでしょう。エンジニアであれば営業さんから案件の紹介があり、進めてもらうお願いをしたものの返信がない。営業さんに電話をしたけど一日たっても折り返し電話もない。こういったのはレスポンスが良くない証拠ですね(相手にされていない場合もあります・・・)。

では、レスポンスが良いというのは、外に出ている、出ていないというのと関係性はあるのでしょうか?
簡単に考えると、外に出ていない方がメールや電話の応答・返信は早いはずです。逆に外に出ている方が移動中や打ち合わせをしていることが多く、またメールの返信が出来ないということでレスポンスが遅れる可能性があります。

そうすると、一般的に考えたところ、仕事の出来る(レスポンスが早い)営業さんは確かに外に出ない人であると言えるのではないでしょうか。

ただ、あくまで仮の話ですが、PCを持ち歩いて真面目に営業活動をするために外に出ている営業さんがいるのであれば、その人が最強に仕事が出来るのではないでしょうか。急な問い合わせやメールの返信があったとしても出先でも対応出来ますし、新規でのエンジニア調達および客先開拓も行え、無駄の無い動きが可能になると思います。

というわけで結論

というわけで、会社として営業人員の体制が整っているところであれば、まあ仕事が出来るレベルという意味ではむやみやたらに外をフラフラせずに、ピンポイントで外に出て、基本的には社内にいる営業さんの方が仕事効率がよく、仕事が出来るでしょう。
つまりは仕事が出来る営業さんは外に出ない、ということです。
しかし、そういった会社の恩恵によるものや立場に由来せず、個々という意味で真に仕事が出来る人は常に外に出ている人でしょう。Face to Faceの関係構築も出来、レスポンスの遅れを出さないようにPCを持ち歩けば全くの問題がなくなりますので。

とすると、やはり外に常に出ている営業さんの方が仕事が出来るのではないかと思います(PC持ち歩いていて、レスポンスが早い人ね)。

結局は不毛な戦いでした・・・
ちなみに私が知っている中で仕事が出来るなーと思う営業さんは、PCを持ち歩いて常に外を出歩いています。その人はSESの営業なのに、私服でSIer等クライアントに面談に行ってました・・・。まあ滅多にいない人だとは思いますが、話では毎日クライアントやエンジニアと夜は飲みに行っているらしく関係構築も怠らずで、よくやるなーと思いました。

ちなみに本題の『仕事が出来るSES営業さんとはどんな感じなのか?』の答えとしては間違いなく『レスポンスが早い人』だと思います。みなさんもこの視点で周りをもう一度見渡してみると良いかもしれませんね。