2013年4月23日火曜日

組み込み系Android技術者は「Androidエンジニア」とは違う


Android開発が出来るエンジニアは少ない。
iOSエンジニアも絶対数は少ないが、Androidエンジニアは特に少ない。そもそもJavaが書けないと意味がないという特性上、Java経験者だとどうしてもそのままJava開発の仕事をしてしまうので、わざわざスマートフォンに特化したAndroidに進もうという人がいない。
JavascriptでもAndroidは開発出来るけれど、やはり基本的にはJavaが書けないとどうしようもない。
だいたいAndroid技術者を募集すると、Javaの理解があるのかよくわからない若手の技術者か、何故か年配の技術者の提案がある。

この「何故か年配の技術者」がまさに組み込み系Android技術者だ。

以前Androidアプリケーション開発の案件で、どうしても急募でAndroid技術者を整える必要があり、営業さんから提案があった技術者を大してスキルシートも確認せずに同時に全員面談した事があったが、入社1年目くらいの若手が3名に、何故か40歳過ぎたベテラン技術者が面談にきた。
若手3名については、よくSES会社が採用した新人向けに、環境構築が容易なAndroidアプリ開発を勉強がてらにさせていることを知っていたので、想定していたところであった。しかし、40歳過ぎのベテラン技術者については最初「あれ?Androidアプリ開発をバリバリされている人がたまたま空いていたのかな?」と少し驚いた。だが理由は面談を始めてすぐに理解した。

スキルシート上から見受けられる経歴が明らかに違っていた。
その40歳過ぎのベテラン技術者は、Androidアプリケーションの開発エンジニアではなく、メーカーでAndroidスマホの端末を開発する現場にいた組み込み系の技術者だったのだ。 経歴はメーカーの組み込み系の現場経験が長く、主に用いている開発言語もJavaよりもC、C++が多く、Android端末開発の案件でAndroidSDKを用いたのだった。

SES会社の営業さんからすれば、Androidと書いてあれば全員Androidの開発が出来る技術者なのだろう。結局面談した4名は全員NGになった。

このときはAndroid端末開発の経験者という経歴の人がAndroidアプリケーション開発の案件に流れてきているということはそこまで意識していなかった。
結局、そのときの急募で募集していたAndroidアプリケーション開発エンジニアは、その後PMのところに来ていた提案の技術者で決まってなんとか要員は補充された。
これで安心!と思っていたら問題が起きた。
PMがその技術者を稼働開始から2日目で退場にしてしまった。
理由は「Javaが書けないから」というのだ。「面談したのはお前だろ!、ちゃんと確認しろよ」とツッコミたくなったが、退場になってからその技術者のスキルシートを見ると、やはりこちらもFだったかHだったかのメーカーにいた組み込み系の技術者だった。

別にエンジニア本人が悪いとは全く思わない。
一応、Androidに触れていたのは間違いないのだから。ある意味全くのAndroidアプリケーション開発経験のないエンジニアよりも、多少なりとも理解があるため良いかもしれない。しかし、組み込み系Android技術者は、ほとんどが年齢もベテランで、金額も一丁前で60〜70万円台が多い。
そう、高いのだ。これだけ一人前の金額で「これだけしか出来ないのかよ!」という残念な感じがとても強い。 そもそもJavaが書けないと開発も進まないのだ。だったらまだ同じ金額でJavaのベテラン技術者を探すか、若手を35万円あたりで使った方がマシだ。

結局、「Androidエンジニア」というとAndroid端末開発技術者ではなく、「Androidアプリエンジニア」なのだ。エンジニア本人、営業さんもその点を理解もしくは確認した上で提案へと進むのがいいだろう。